専門職ほど担う役割に大きな違いがある

医師と並び、看護師や理学療法士は、医療機関や福祉施設では欠かせない専門職として知られていますが、業務の幅の広さや求められるスキルにはそれぞれに大きな違いがあります。

看護師はほぼ全ての診療科目において、医師の指示を受けて医療行為を行ったり、医師の診療中のサポートをしたりします。例えば、小規模なクリニックでは、看護師が医師に代わって患者の健康上の悩み相談を受けたり、カルテの整理を行ったりすることもあり、臨機応変に対応ができる人材が重宝されます。

一方、理学療法士はリハビリテーション科や整形外科などで、診療計画書をもとに温熱療法やストレッチ、マッサージ、電気療法などを行い、患者の全身の動作をスムーズに行えるようにサポートをします。また、高い技術を持つ理学療法士は、病院から老人ホームや訪問介護などの介護現場に出張して業務を行うことも珍しくありません。

大規模な大学病院や総合病院などには、看護師や理学療法士などのコメディカルの役割分担がハッキリとしているところが多く、研修や勉強会の機会を通じて、専門性を高められる環境が整っています。とはいえ、看護師や理学療法士に必要とされるスキルは、診療科目や患者の人数、職場内のスタッフの人数などによって大きく左右されます。そのため、仕事を通して専門職としてスキルアップを図りたい場合は、自分の目指す方向性を見極めて、慎重に職場探しをすることが大切です。