専門職ほど担う役割に大きな違いがある

医師と並び、看護師や理学療法士は、医療機関や福祉施設では欠かせない専門職として知られていますが、業務の幅の広さや求められるスキルにはそれぞれに大きな違いがあります。

看護師はほぼ全ての診療科目において、医師の指示を受けて医療行為を行ったり、医師の診療中のサポートをしたりします。例えば、小規模なクリニックでは、看護師が医師に代わって患者の健康上の悩み相談を受けたり、カルテの整理を行ったりすることもあり、臨機応変に対応ができる人材が重宝されます。

一方、理学療法士はリハビリテーション科や整形外科などで、診療計画書をもとに温熱療法やストレッチ、マッサージ、電気療法などを行い、患者の全身の動作をスムーズに行えるようにサポートをします。また、高い技術を持つ理学療法士は、病院から老人ホームや訪問介護などの介護現場に出張して業務を行うことも珍しくありません。

大規模な大学病院や総合病院などには、看護師や理学療法士などのコメディカルの役割分担がハッキリとしているところが多く、研修や勉強会の機会を通じて、専門性を高められる環境が整っています。とはいえ、看護師や理学療法士に必要とされるスキルは、診療科目や患者の人数、職場内のスタッフの人数などによって大きく左右されます。そのため、仕事を通して専門職としてスキルアップを図りたい場合は、自分の目指す方向性を見極めて、慎重に職場探しをすることが大切です。

これから医療職を目指す方へ

日本には医療に携わる仕事は数多くありますが、その中でも女性が中心となって活躍している職業が看護師や理学療法士です。

特に、看護師は医者と並び、医療業界を支える職業の一つであり、女性が圧倒的に多いのが特徴です。主な仕事内容は医師の診療の補助や患者のバイタルチェック、心のケアなどになります。また、個人経営や民間の診療所で働く場合には、これらの基本的な仕事に加えて、受付や会計といった業務を行うことも少なくありません。

一方、理学療法士は、看護師ほどメジャーな職種ではないため、仕事内容を知らないという人も少なくないでしょう。理学療法士は患者の支えとなってケアをして行くのがメインの仕事であり、一見すると看護師と同じように思われますが、実は大きな違いがあります。まず、大きく異なる点は働く現場です。看護師の勤務地が病院やクリニックといった医療機関が中心となるのに対して、理学療法士は病院に限らず介護施設から一般企業まで幅広い選択肢から選べます。

また、仕事をする上で気になる勤務形態も、看護師は24時間体制によるシフト勤務がメインになりますが、理学療法士は日勤が基本になります。そのため、理学療法士は子育てと仕事の両立を考えている人にとって働きやすい医療職と言えます。ただし、収入に関しては夜勤のある看護師に比べて日勤だけの理学療法士は少なくなってしまうのは否めません。そのため、これから医療職を目指す方は、職種ごとの仕事内容や給与事情などをしっかりと調べて、自分に合ったものを選択するようにしましょう。